今から4年前のことですが、20歳の女性が豊胸術を希望されて来院されました。
「天は二物を与えず」といいますが、その女性はとても綺麗で上品な方でどこかのお嬢さんという雰囲気でしたが、バストが殆どないくらいに小さいのが服の上からでもよく分かりました。
美容外科は初めてということで少々緊張してみえたのでリラックスして頂こうと思い、職業上身につけた経験?から「バストはアンダーが67cmのBですね?」とずばり言ったところ、「すごい!服の上からでも分かるんですか?」と感心されてしまいました。それで緊張が解れたのか、その方が今まで自分の小さなバストでどれ程悩んだか、家が裕福でなくて苦労されたことやアルバイトをしながら大学へ通っていることなどを親しくお話して頂けました。
さて手術当日、私から声をかけて「昨夜はよく眠れましたか?さあ今日は今までの悩みをなくして新しく生まれ変わる日ですよ。」と励まして、手術は順調に進みました。当院では手術中にバストの大きさや形が確認出来るため、途中で見て頂いたところ、突然に泣き出されてしまいました。痛みはないはずなのにと思い聞いてみると、何とご自分のバストを見て感激されたとのことでした。
手術の結果は非常に良好で、最後の検診の日に「先生に出会えて私は今までの人生を変えることが出来ました。本当にありがとうございました。」と言われてまた泣かれてしまいました。
スタッフからは院長は患者さんを2度も泣かせたと言われてしまいましたが、最後の言葉の意味が分かったのが、ある雑誌でその女性が大きなミスコンテストで入賞した姿を見た時でした。今でも私の心に誇りとして残っています。