今回の方は26歳の女性で小顔の相談で来院されました。カウンセリングでは「身長の割りに顔が大きく骨ばって見えるので、卵形のソフトな感じの小顔にしたい」というご希望で、当時有名なJJのモデルの写真を持参されました。モデルの女性は典型的な流行の小顔でハーフっぽい印象ですが、プロの私の目から見ると美容外科手術で色々と修正されているのが分かりました。
一方患者さんの顔は、頬骨が大きく前方と側方へ張っている上に、エラ骨(下顎角)も大きく咬筋も肥大しています。顔面骨は出っ張っていると顔が大きく見えてきつい印象になるばかりでなく、頬やコメカミは逆にこけて見えてしまいます。顔面骨のX線を見ながら患者さんの希望を聞いて手術の方法と限界などを詳しく説明し、手術としては頬骨縮小術(頬骨削り)と下顎角縮小術(エラ削り)に決定しました。
この手術は口腔内からのアプローチのために傷痕は外からは見えませんが、狭い視野で特別な器具を用いて行うために、熟練した技術と長い経験が必要です。特にこの患者さんは、縮小量を大きくするために頬骨は1cmほど切除し内方へ移動する方法と、下顎角は広範囲に角部を切除した後に外板を切除する術式を行いました。手術は全身麻酔で5時間近い手術でしたが、結果は非常に良好で、あれ程大きく骨張った顔が、1ヶ月後にはJJモデル並みにソフトな輪郭の小顔になっていました。
結果に大満足されたためか、その後この患者さんはバストアップの豊胸術、脂肪吸引術も受けられました。現在はモデルとして頑張っておられるようです。その方から頂いたお礼のメールの中に「先生は私の創造主です。」という言葉が気に入って今も大切にパソコンの中に保存しています。