最近はクリニックに外国の方が数多く来院されるようになりました。一般にわが国の美容外科クリニックでは、コミュニケーションの難しさから外国人の患者さんを受け入れるところは少ないのですが、当院では私の知り合いからの紹介や口コミや患者さんからの紹介などで徐々に増えて来ました。
国籍は様々で、以前は美容外科先進国であるアメリカやヨーロッパの方が多かったのですが、その後経済の発展を反映して韓国や中国の方が増え、最近はブラジルやペルーなど南米からの方が多くなっています。特にブラジルの方は家族で来院されることが多く、待合室には賑やかにポルトガル語が飛び交い、深刻な悩み相談というよりもまるでカウンセリングを陽気に楽しんでいるようで、さすがリオのカーニバルの国です。シャイな日本人と違って感情表現も豊かで、オペ後の検診の際には “O,Doutor! Muito obrigada!!”と患者さんからいきなりhugされることもしばしばで、まさに医者冥利に尽きる(?)というところです。そんな時にはBGMをサンバやボサノバに切り替えて、私自身昨年から○○の手習いで覚え始めたポルトガル語とスペイン語を駆使して患者さんからは大うけしています。
美容外科手術も、民族による骨格や体型の違い国民性や美意識の違いから、受ける手術の種類はもちろん希望される結果も大きく異なってとても興味深いところです。
今回は、私のこのような経験をもとに世界の美容外科情勢を日本と比較しながら考えてみたいと思います。
日本では余り知られていませんが、最近の10年間で多くの国々の美容外科医療は飛躍的に進歩し世界中で美容外科人口が急増しています。ミョンドンの美容外科通りで知られる韓国の美容外科ブームは日本でも有名ですが、経済発展著しい中国の北京や上海、日本ではまだ馴染みの薄いベトナムや東南アジア諸国でも美容外科は大変な勢いで一般の人々の間に広がって来ています。日本ではリゾートとして有名なタイは、すでに日本を凌ぐ美容外科大国で、ツアーを組んで訪れるアメリカ人が最も多い国です。アメリカやヨーロッパは、もちろん世界の美容外科先進国ですが、患者数はこの10年でさらに増えてアメリカの年間の豊胸術は日本の10~15倍以上の30~40万人と言われています。(次の記事に続く)