美容外科医療において日本人と外国人の大きな違いは手術のことを秘密にするかしないかです。最近は日本でも美容外科医療がポピュラーになり、手術以外の様々な簡単な方法が取り入れられて来たこともあって、若い人などオープンにされる方が次第に増えて来てはいますが外国に比べればまだ少ないようです。
アメリカはさすがに世界一の美容外科先進国で、技術レベルや手術数だけでなく、社会全体の美容医療に対する評価や医師の立場が日本よりも遥かに高いと感じます。医療保険の違いや価値観の相違もあるかも知れませんが、例えば日本のTVドラマで美容外科医師が登場する場面は、大抵サスペンスなどで事件の犯人だったり脱税や金儲けなど残念ながら暗い負のイメージが多いのですが、アメリカではサクセスストーリーやラブコメディーの主人公などの明るいイメージで描かれていて、日本の美容外科医から見れば羨ましい限りです。私はニュース以外には余りテレビを見ないのですが、以前偶々WOWWOWでアメリカの人気TVドラマ“Sex and the City”を見ていたら、4人の主人公の中の一人が恋人と喧嘩したか別れた後で「私はもう頭に来たから、朝一番にニューヨークで最も有名な美容外科医のカウンセリングの予約を取った」というセリフがとても印象的でした。アメリカでは美容医療がいかに日常生活に溶け込んでいるか分かります。私の患者さんでご主人の転勤で何年間かアメリカに住んでいた方が、向こうで多くの友人に「どうして胸が小さいのに豊胸術をしないの?」といつも言われたとのことです。因みに周りのアメリカ人の友人たちは全員豊胸術をしていたとのことです。
ブラジルやペルーなど南米からの患者さんは陽気な国民性もあってか、カウンセリングにも家族や友人や恋人などと一緒に来て、待合室がまるでレストランや遊園地のような賑やかさです。手術内容は殆どが豊胸術か脂肪吸引で、その他に下向きの鼻を上に向けるノーズアップ術や立ち耳の手術などが多く、日本人とは大分異なります。また同じ豊胸術でも、日本人なら例えば身長163cm体重50kgの場合、インプラントは200cc~250cc位を希望されるのに対して、アメリカ人やブラジル人は300cc~400ccが殆どです。また日本でポピュラーになったヒアルロン酸や脂肪幹細胞注入などのように変化が少ない方法は、外国人には敬遠される傾向です。(次の記事に続く)