今回の患者さんは17歳の若い女性です。カウンセリングルームに入ると可愛いセーラー服姿の女子高生がお母さんと一緒に待ってみえました。目が大きくて鼻筋の通った端正な顔立ちに長いストレートヘアーが印象的です。最近の若い方には珍しくとても礼儀正しくて、わざわざ立って挨拶をされましたが、身長も170cmはゆうにありそうです。こんな美人で可愛い女子高生に一体何の悩みがあるのかな?と思ってカルテに目を通すと、相談内容が「小顔の相談」となっていました。
カウンセリングの前に緊張をほぐすために「学校は楽しいですか?将来は何をするの?好きなアーティストは?」などという雑談などを交えながらご本人のお話を聞くのですが、何と小中学校の頃から回りから「ホームベース」とか「はいり」とか言われてからかわれたそうです。幸い持ち前の明るい性格とバスケット部のキャプテンでクラスメートから慕われていてイジメなどには遭わなかったとのことですが、それでも顔の輪郭のことを言われるととても辛い思いでいつも傷ついていた自分を必死で隠していたと打ち明けられました。
実際に長い綺麗な髪の毛を上げて頂いて顔の輪郭全体を見てみると、まさに「天は二物を与えず」の通り、整った目鼻立ちを台無しにするかのように張り出したエラと頬骨がとても目立っています。顔面の骨が出ていると顔が大きく見えるばかりでなく、ゴツゴツとして骨ばったイメージを与えます。一般に日本人をはじめアジア人はヨーロッパ人よりも体格に対する頭蓋骨の比率が大きいばかりでなく下顎角(エラ)と頬骨が張り出している場合が多いのですが、折からの小顔ブームで最近はこのような相談がとても増えています。X線検査などの結果、この可愛い女子高生の手術は下顎角形成術(エラ削り)と頬骨縮小術(頬骨削り)を同時に行なうことになりました。
(次の記事に続く)