下顎角骨切り術(エラ削り)は日本人の顔面骨形成で最もポピュラーな手術ですが、患者様が期待されている通りの結果を出すことが大変難しい手術の一つです。
なぜなら一般的に行われている口腔内切開の手術では、下顎角部の最も突出している非常に狭い範囲の骨切りしか出来ないからです。原因は口腔内の狭い手術野に電動骨切りカッターを入れて、最も深くに位置する下顎角部を骨切りするため制限が非常に大きく、切除量が少ないばかりか術後の外観が不自然になる場合が多く見られます。
当院では、わずか2~3㎝の目立たない皮膚切開によって下顎角後方からオトガイ部に至る広範囲骨切り術を行い、さらに外板(外側皮質骨)を削ることで横顔だけでなく正面顔も大きな変化が得られます。また骨切りラインは滑らかなカーブを描いているため術後の自然な外観を失いません。全長で8㎝~10㎝におよぶ下顎角骨切りを行っているのは当院だけで、全く異次元の結果が得られます。
小木曽クリニックの『下顎角形成(エラ骨切り縮小術)』 |
一般的な『エラ骨切り術』 |
小木曽クリニックの 『下顎角広範囲骨切り縮小術』 |
一般的な『下顎角骨切り術』 |
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骨切り量 |
◎ 骨切り量が非常に大きい 皮膚切開部は下顎角直上のため、熟練すればたった2~3㎝の傷痕で下顎角後方からオトガイ部前方までの8~10cmに及ぶ骨切りが可能。 |
× 骨切り量が少ない 口腔内のため術野が狭いだけでなく、下顎角が最も深い位置にあるため操作が非常にしにくく、いくら熟練しても広範囲に骨切りが出来ない。 |
骨切りライン |
◎ スムーズなカーブを描く骨切りが可能 骨切りカッターを骨面に垂直に当てることが出来るため、スムーズで自然なカーブを形成出来る。 |
△ スムーズなカーブで骨切りすることが殆ど不可能 カッターを骨切り面に垂直に当てることが出来ないためスムーズな骨切りが殆ど不可能。 |
左右差 |
◎ 左右差が少ない 術者の利き手に影響されないため左右対称に骨切り出来る。 |
△ 左右差が出来やすい 術者の利き手に影響されて左右差が出来やすい。 |
安全性 |
◎ 安全性が非常に高い 顔面神経・顔面動脈とは離れた位置での操作であることと、下顎角裏側の翼突筋群を十分に剥離することが出来るため、安全性が非常に高い。また、手術中に透明3-D立体模型にて下歯槽神経管の位置を確認しながら骨切りするため、下歯槽神経を損傷する可能性が殆どない。 |
△ 安全性に問題がある 手術野の骨膜上を顔面神経と顔面動脈が走行しており、術中操作を誤ると大出血や顔面神経麻痺などの重大な事故に繋がりやすく、また下顎角裏側に付着する翼突筋群を損傷すると止血が困難。 |
腫れ |
◎ 腫れが非常に少ない 骨切り部分のみを剥離するため腫れが最小限に抑えられる。 |
△ 腫れが大きい 視野を確保するため骨膜下を広範囲に剥離するため腫れが非常に大きい。 |
顔面輪郭形成術に美しさを!
実物大の透明立体モデル上に綿密に計測した骨切り予定ラインを描き、これに沿って実際の骨切りを行うため、下歯槽神経管を損傷することなく安全でミリ単位の正確な骨切り術が可能になりました。
頭部3D CT検査、3D透明立体モデル、頭部X線検査、胸部X線検査、心電図、各種血液検査など
特に3D透明立体モデルによる下歯槽神経管の位置の確認が重要です。
全身麻酔
約3~4時間
圧迫固定 | 術後3日間はフェースバンデージにて強く圧迫して腫れを予防します。 |
ドレーンチューブ | 血腫予防のためにドレーンチューブを留置します。 |
痛み | 個人差がありますが、術後の痛みは軽度な鈍痛程度で、2~3日をピークに徐々に軽減して行きます。 |
腫れ | 1週間をピークに2週間くらいで退いて来ます。 |
抜糸 | テープ固定のため抜糸はありません。 |
検診 | 翌日、1か月後、6か月後 |
シャワー・入浴 | シャワーは翌日から、入浴は3日後から。 |
傷痕 | 2~3㎝の切開ラインは経過とともに徐々に目立たなくなり、通常3~6カ月で細いシワのようになります。 |
痺れ | 術後しばらくの間、口の周りの感覚が鈍くなることがありますが、通常は術後2週間くらいから3か月位で徐々に回復して来ます。 |
開口障害 | 顎関節付近の腫れのため、術後しばらく口が開けにくい状態になりますが徐々に回復して来ます。 |
術後6カ月検診時に頭部3D CT線検査を行います。
その他の症例写真
骨切りラインは下顎角後方からオトガイ部に至る滑らかなカーブで全長8㎝~10㎝におよびます
他院術後の修正術
他院で下顎角部のみの狭い範囲の骨削りを行ったため凹凸不整となった症例
当院で11㎝に及ぶ広範囲骨切り術を行い非常に良好な結果を得ました
下顎角の肥大が軽度な場合や、皮膚側に傷痕が残ることをどうしても避けたい場合に適応があります。安全性と手術法の限界から、下顎角広範囲骨切り縮小術のような広範囲の骨切りと大きな変化は得られませんが、下顎角部の突出をなくして角張ったイメージを改善することが出来ます。もちろん傷痕は口腔内だけなので外には残りません。
頭部3D CT検査、3D透明立体モデル、頭部X線検査、胸部X線検査、心電図、各種血液検査など
特に3D透明立体モデルによる下歯槽神経管の位置の確認が重要です。
全身麻酔
約2時間~3時間
圧迫固定 | 術後3日間はフェースバンデージにて強く圧迫して腫れを予防します。 |
ドレーンチューブ | 血腫予防のためにドレーンチューブを留置します。 |
痛み | 殆どの場合、術後の痛みは軽度な鈍痛程度です。ピークは2~3日でその後は徐々に軽減して行きます。 |
腫れ | 1~2週間をピークに3週間くらいで退いて来ます。 |
うがい消毒 | 術後は2週間、毎食後イソジンでうがいを励行して頂きます。 |
抜糸 | 吸収糸のため抜糸は不要です。 |
検診 | 翌日、1か月後、6か月後 |
シャワー・入浴 | シャワーは翌日から、入浴は3日後から。 |
傷痕 | 口腔内粘膜の傷跡は外からは見えません。 |
開口障害 | 顎関節付近の腫れのため、術後しばらく口が開けにくい状態になりますが徐々に回復して来ます。 |
術後6カ月検診時に頭部3D CT線検査を行います。
口腔内切開では下顎角部は非常に視野の展開が悪く、内視鏡を用いても安全に骨切り出来る大きさは限られています。また下顎角広範囲骨切り縮小術に比べて、角度的に骨切りカッターの操作性が悪く、そのためスムーズなラインで左右対称に切除することが非常に困難です。
下顎角広範囲骨切り縮小術とオトガイ広範囲骨切り縮小術を同時に行うことで、下顎枝後縁顎関節直下からオトガイ先端に至る下顎骨全体の骨切り形成が可能となりました。
最大の特長
・下顎骨全体が大きくボリュームダウンするため縮小効果が非常に大きい
・2つの手術の骨切りラインのつなぎ目が殆ど分からない凹凸のないシームレスで自然な結果が得られる
手術に関する詳細は、下顎角広範囲骨切り縮小術、オトガイ広範囲骨切り縮小術と全く同様ですのでご参照下さい。
3D立体模型による術前シュミレーション
下顎全体骨切り縮小術による切除骨
↑他院術後の修正術